2018/05/24

ゴールデンゴールド(4)



『ゴールデンゴールド』4巻を読んだ。

堀尾省太さんのマンガといえば、『刻刻』も独特だった。



絵柄も、もしかしたら、受けつけない人がいるかもしれない。
ホラーマンガ的な気持ち悪さがある。僕は好きだけど。

人間の裏側にべたっと貼りついていて、決してとれないようなものが、
表面に滲み出ているような、そんな絵だと感じる。僕は好き。

『刻刻』は暗めでストイックなストーリーだったけれど、
『ゴールデン~』は序盤コミカルな感じで、やっぱり不気味なんだけど、
これはちょっと読みやすいかも、と思った。ちょっとだけね。

でも、これは「欲」にまつわるお話だ。キツくないわけがない。

ただ、堀尾さんはそこをドライに描く。
ドライというのは、冷めているというのではなくて、
中立的に、ということだ。
良いとか悪いとか、価値判断を挟まないで、
変に感情的にならず、ありのままに描いてゆく。

よくよく考えてみれば、絵柄もまた、
マンガだからデフォルメされてはいるものの、
人間の特徴を、良くもなく、悪くもなく、
淡々と描きこんでいる印象がある。

鳥瞰的、という言い方もできるのかもしれないけど、
それはよりはもっと中に入っていて、
「色々な他者たち」を描いているだけではなく、
自分もまたその他者と同じ人間なのだという視点を感じる。

とてもおもしろいマンガで、すごい作品だ。

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