『僕のジョバンニ』1~3巻を読んだ。
これはいい。
穂積さんは『さよならソルシエ』もよかったけれど、
なんというか、「関係性」を描く作家さんだと思っていた。
『僕の~』も、最初はその線の物語だということが強く示唆される。
ようするに、主人公と相手役の友情が才能とか何らかの要因によってこじれ、
互いの関係が変遷してゆき、ある結末(悲劇性を帯びた)を迎える、という、
みんなが大好きな(僕も好きな)タイプのアレだ。
ところが、そこからすっと違う方向に進んでゆく。
いや、軸が移るわけではないのだけど、物語がぐっと広がる。
「アレ」なタイプは、もはやそこに行きつくしかないという細い道を、
どうしようもなく進んでゆき、やっぱりそうだよな、と終わる。
でも、『僕の~』では、別の可能性が提示されて、
音楽と人生に彩られた、見晴らしのいい、
光の射す場所でストーリーが展開してゆく。
一方で、影も落ちていて、そっちに転びそうな匂いも残している。
いい意味で裏切られて、驚かされた。
とてもおもしろい。
今のところ、僕はハッピーエンドを予想しているけど、
どうなるだろう。楽しみだ。
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