2018/05/17

猫ヶ原(5)



『猫ヶ原』5巻を読んだ。

完結してしまった。

終盤、もうちょっと尺があれば、という感もあったけれど、
描くべきことは描いたのかな、との印象。

猫たちの話だが、擬人化されていながら、
それほどかわいく描かれていないのがとてもよかった。


僕は猫と暮らして長い。

だけれど、猫がかわいいとはべつに思わない。
正直、かわいがってもいない。

ただ、好きか嫌いかでいえば、好きではある。

僕にとって猫は、愛玩する対象じゃない。

同じ生き物として、こういう生き方もあるんだなと思う。

眠たければ眠る。どれだけでも眠る。暴れたければ暴れる。
くっつきたければくっつく。いやなら離れる。
若いころは遊べ遊べとうるさかった。
年をとると、放っておいて餌だけよこせ、という態度。
そのくせ、寒い時期は布団に入ってきて添い寝を要求する。
邪魔だとはねのけると、やかましく鳴いて報復する。

まったく勝手なものだ。
ひるがえって、自分はどうなのか。


うちにはおあばあちゃん猫がいる。
遠からず死ぬだろう。彼女が死んだら寂しいだろう。

僕は彼女が死んだらもう猫は飼うまいと考えている。
でも、わからない。
絶対こうだ、なんて言えない。言う必要もない。

好きなように生きて、いつか死ぬ。

猫も人も、結局、それだけだ。

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