2018/05/17

先生、好きです。(1)



『先生、好きです。』1巻を読んだ。

女性の漫画家さんらしい。

女子高生たちもファンタジーなキャラクターに仕上がっているが、
主人公の男性教師も女性が「かわいい」と思いそうな男になっている。

ただ、リアリティーがないかというとそんなことはなくて、
フィクション上、ないほうがいい要素をマスクしたり薄めたりしてあるが、
あるとおもしろい部分は匂う感じで意図的に残しているのか、
それとも、感覚的に残しているのか、天然で残っているのか。
まあそこまではさすがにわからない。

でも、いい塩梅なんじゃないかと思う。

これよりもっと生々しくなってしまうと、読みづらい。
自分で書くぶんには、生々しいほうが楽しいんだけどね。


このマンガはけっこうレビューがついていたので読んでみた。
ちょっと目に入ってしまったが、あんまり芳しくない評価も多めのようだ。

それ自体がどうということではないのだけれど、
あるものに否定的な感情を抱くとき、人は存外、
それが何に由来している感情なのか、わかっていないものだ。

たとえば、僕らのような仕事の者だと、
よくよく注意しなければならないのは「嫉妬」だ。

本当は賞賛すべき点がたくさんある作品なのに、
自分の未熟、非力、非才、等々を棚に上げて、嫉妬してしまう。
「何だ、こんなの、たいしたことない、ここも悪い、ここもだめだ」、
などと考えてしまう。それで、自尊心を守ろうとする。

これはとても厄介で、自分にそういうせこさがあるという前提で、
そこをさっぴいて作品を見るようにしないと、
正当に(極力、ということだけど)分析、評価できない。

それ以外にも、気分(だるいときに読んでも何だって楽しめない)だとか、
コンプレックス(見たくないものを見せられると頭にくる)だとか、
いろんなもの、とくに感情が、僕らの認識を大いに歪める。


感情は大事だ。僕らの人生に彩りを与えてくれる。

でも、感情はしばしば僕らを誤らせる。


個人的には、感情が何かの原動力になることは許容するが、
感情に基づいて物事を判断するのは避けることにしている。


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