2018/05/18

重版出来!(11)



『重版出来!』11巻を読んだ。

よくある話だが、僕は「出来」を「しゅったい」と読むことを知らなかった。

音声で「じゅうはんしゅったい」と聞いたことがなかったし。
自著が重版されたことはあるけど。
たとえばその旨を電話なんかで教えてもらったとしても、
「重版決まりました」とか、そんな感じなので。


これはとてもおもしろいマンガだ。
題材とかいろいろあるんだけど、そんなことより、読後感がとにかくいい。


こういう「いやあ、いいもの読んだあ」とすっきりするようなお話、
僕はなかなか書けない。

いや、本格的にチャレンジしたことがないので、
もしかしたらできるのかもしれないけど、
挑まないってことは、苦手だという意識があるんだと思う。

読むのは好きだ。

というか、読むぶんには、僕はそれほど選り好みをしないので、
「こういうのも好きだ」というのが正確なところだけど。

でも、書くのは難しい。

技術的な問題というより、モチベーションなのだろう。
短編で一本、くらいなら精一杯取り組める気がする。
だけど長編はたぶんきつい。……正直、飽きる。


これは、だからどう、ということじゃないんだけど、
この種の読後感のよさ、心が動いてすっきりする感じというのは、
つきつめると、一つの「ある快感」に集約される気がする。
(それだけに一般性があり、広く、そして深く、人々に訴えうる。)

それは、少なくとも僕にとっては、たまにならいいけど、
頻繁に摂取していると、あっという間に「感じなくなる」部分だ。
どうでもよくなってしまう。

まあ、書き手としての僕は、手を替え品を替え、次々と、
「ある快感」をもたらすようなバリエーションを持っていない、
ということでもある。


読後感のいい小説を書きたい、という野望はある。
ちょっと挑戦してみたりもしている。


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